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概要:Swaha Pattanaik [ロンドン 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、できるだけ銀行のためになる行動をしようと努力している。もちろん彼の動機は、消費者と企業にとっての借り入れの障害を確実に消し去り、減速するユーロ圏の経済成長とさえない物価を再び押し上げることだ。 だがECBの今回の決定を見れば、とても銀行の「友人」と呼べる内容ではない。 ドラギ氏は7日、以前ほど寛大な条件ではないものの、
Swaha Pattanaik
[ロンドン 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、できるだけ銀行のためになる行動をしようと努力している。もちろん彼の動機は、消費者と企業にとっての借り入れの障害を確実に消し去り、減速するユーロ圏の経済成長とさえない物価を再び押し上げることだ。
だがECBの今回の決定を見れば、とても銀行の「友人」と呼べる内容ではない。
ドラギ氏は7日、以前ほど寛大な条件ではないものの、銀行向けの新たな貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO3)を、前回のTLTROの返済期限が訪れる前に実施すると発表した。これはほとんどのエコノミストやトレーダーを驚かせた。彼らの間では新TLTROが表明されるとの予想自体は大勢になっていたとはいえ、発表時期はもう1カ月か2カ月先を想定していたからだ。
ところがポジティブサプライズが期待された市場のムードは、すぐに悪化に転じた。STOXX指数は急落し、特に以前のTLTROで借入額の約3分の1を占めていたイタリアの銀行の売りがきつくなった。
その理由の1つは、ドラギ氏がフォワードガイダンスを修正し、過去最低の主要政策金利がこれまでの見通しよりも長期間続くとの見方を示したことだ。もう1つ、ECBの今年のユーロ圏成長率見通しが1.7%から1.1%に引き下げたのも影響した。
ECBが現在マイナス0.4%としている中銀預金金利のような超低金利は、銀行に壊滅的な打撃をもたらす。だから銀行が少なくとも年末まで今の超低金利に苦しめられると聞いた投資家が、非常に気落ちしたのは当然だ。さらにユーロ圏の経済成長がドラギ氏の見通しほど弱いなら、銀行が融資を拡大すればその分だけ不良債権を抱えるリスクが高まる。経済活動が冷え込んだままであれば、消費者や企業が借金の申し込みに殺到することもあるまい。
一方、今回の一連の措置を全会一致で決めたECBにもそれなりの言い分はある。フォワードガイダンスの修正は経済活動を行っている人々に先行きの確実性をもたらし、ECBは経済環境が悪化してから策を講じるのではなく、先手を打つ姿勢なのだと示すことになる。またECBは予定より素早く動く大義名分が必要だったが、それは成長率見通しの下方修正によって与えられた。
とはいえそうしたECB側の事情など銀行にとって何の慰めにもならない。彼らは結局、またしてもECBからの「味方討ち」にさらされる。
●背景となるニュース
・ECBは7日、新たな銀行向けの貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO3)を実施すると発表した。また政策金利に関するフォワードガイダンスを修正し、過去最低の金利水準が少なくとも年末まで続くと表明した。
・ECBによると、TLTRO3の開始は9月で2021年3月まで行う。資金供給の期間は2年、金利はECBの主要リファイナンス・オペ金利に連動する変動金利となる。
・単一通貨ユーロと、ユーロ圏国債の相場はECBの発表後下落した。
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