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概要:Jeffrey Goldfarb [香港 28日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 日産自動車<7201.T>は、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)<FCHA.MI>とルノー<RENA.PA>が合併すれば、より大きくなった企業連合(アライアンス)の後部座席で今よりも良い乗り心地を味わえる可能性がある。 合併によって相当なメリットを得られることが約束されているからだ。発言権が大きくなる見返りに戦略面で
Jeffrey Goldfarb
[香港 28日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 日産自動車(7201.T)は、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)(FCHA.MI)とルノー(RENA.PA)が合併すれば、より大きくなった企業連合(アライアンス)の後部座席で今よりも良い乗り心地を味わえる可能性がある。
合併によって相当なメリットを得られることが約束されているからだ。発言権が大きくなる見返りに戦略面で立場が弱まるとしても、それは小さな代償にすぎないだろう。
日産前会長のカルロス・ゴーン被告を巡る問題で、同社とルノー、三菱自動車(7211.T)の3社連合は難しい局面に入った。日産株43%を持つルノーは全面的な経営統合を求めているが、日産の西川広人社長や経営陣の反応は冷たい。一方日産の利益は減り続けている。
そこでFCAとルノーの合併が歓迎すべき追い風になる。新たな企業連合において、設計や技術の共有化を決める際に日産の影響力は薄れるかもしれない。ただ享受できる恩恵はデメリットを上回る。
プラス要素の1つに挙げられるのは、大きな金銭的見返りだ。
FCAはルノーと合併した場合、日産と三菱自動車はアライアンスの下で新たに年間10億ユーロの経費節減につながると見込む。日産が保有する15%のルノー株は、新会社株の7.5%に転換される。FCAがルノーとの合併でひねり出せると見積もる年間の経費節減効果は50億ユーロとなり、BREAKINGVIEWSの計算では日産株主にもたらす追加的な現在価値は23億ユーロに達する。
日産は他の面では発言力が高まる。今のルノーに対する持ち分には議決権が含まれていない。これに対してルノーとFCAが統合する新会社では、日産の議決権はフランス政府と同等になり、同政府はそれまで与えられていた2倍の議決権を失う。そうなれば日産にとって長年いら立ちの種だったフランスの政治的な影響力が弱まる。さらに日産は、ルノーとFCAの新会社の取締役ポスト11のうちの1つも確保する。
最後の特典は時間だ。ルノー経営陣はFCAとの合併の承認手続きと、その後の具体的な統合作業で頭がいっぱいとなり、日産に関係の見直しをしつこく迫って同社を悩ます機会が減るのは間違いない。FCAとルノーが合併しても日産の売上高を上向かせるわけではないが、日産としてはこの流れに乗るのが賢明だろう。
●背景となるニュース
・FCAは27日、ルノーに対し、完全な合併を通じて合計販売台数870万台となる世界第3位の自動車メーカーを誕生させることを提案した。
・提案に基づくとFCA株主の新会社における持ち分は50%になる。
・FCAは、合併による年間の相乗効果は年間50億ユーロ強になるとの見通しを示した。また合併は工場閉鎖につながらないと付け加えた。
・FCA株主は、合併に先立って25億ユーロの配当を受け取る。1株当たりは1.60ユーロに相当する。
・FCAによると、株式交換方式の合併案でルノー株を1株51.68ユーロと評価した。これはルノーの年間配当案を含め、24日のFCA株終値に基づいている。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
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