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概要:ベンチャーキャピタリストは起業家のどこを見て出資を決めているのでしょうか? VC11社に取材した結果、特に重要な起業家の特性が5つ浮かび上がりました。
将来有望なスタートアップのほとんどは、ライフサイクルのある時点で、より多くの現金を確保する手段としてベンチャーキャピタル(VC)に頼る。
だが、素晴らしいビジネスアイデアを持っていることは、創業者が外部資本に売り込むためのパズルのピースの1つにすぎない。アーリーステージの投資家たちが繰り返し口にするのは、製品やアイデアと同じくらい「人」を支援しているということだ。
エアビーアンドビー(Airbnb)のブライアン・チェスキーCEOも、「素晴しいアイデアを持つ素晴らしくない創業者よりも、素晴しくないアイデアを持つ素晴らしい創業者と一緒に働きたい」と語っている。
CBインサイツのデータによると、スタートアップ企業の7社に1社はチーム内の問題が原因で倒産に至っており、7%は投資家との不和によるもの、5%は燃え尽き症候群や熱意の喪失によって倒産しているという。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、創業者からVCへの売り込みの動きは多様化しているが、投資家が創業者に対して求めるものの本質は変わらない。
そこでInsiderはVC11社に取材を敢行。投資判断をする際に彼らが特に注目しているポイントの中から、特に重要と思われる5つを紹介する。
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1. 自己認識
自己認識は、投資家がスタートアップ創業者に求める重要な資質だ。
Kanawa_Studio/Getty Images
ダブリンのVC、フロントラインベンチャーズ(Frontline Ventures)のパートナー、ウィリアム・マッキランによると、自己認識はすべての意思決定に影響を与えるという。そのため投資を求める創業者たちにとって、自己認識は真っ先に求められる資質と言える。
マッキランは「自己認識力が低い人は従業員の採用がうまくいかない場合が多く、従業員の仕事に細かく口出しする傾向があります」と言い、そんなやり方では、シード段階ではよくても規模拡大は望めないと創業者らに警告する。
またこのような創業者がつくるチームは、互いに補完し合うようなメンバー構成ではなく、似た者同士のチーム構成になりがちだという。マッキランは言う。
「チームビルディングには自己認識が非常に重要になるのですが、このことを口にする人はあまりいません。私は起業家からプレゼンを受ける時にはいつも、その人物に自己認識力があることを証明する事例や手段を探します。その能力なしと判断すれば、投資はしません」
イギリスのVC、バルダートン・キャピタル(Balderton Capital)のパートナーであるコリン・ハンナも同様の点を挙げ、求めているのは真のリーダーだと語る。
2. 野心、やり抜く力、決断力
ブロッサムキャピタルのオフィーリア・ブラウンは、創業者にとって一番大切な資質は野心であるという。
Blossom Ventures
Insiderが取材した投資家の多くは、創業者に必要な資質を1つだけ選ぶのに苦労していた。ロンドンのVC、ブロッサムキャピタル(Blossom Capital)の創業者オフィーリア・ブラウンもしかりで、「強いて選ぶならアルファベットの最初から行って、野心(Ambition)ですね」と答える。
前述のマッキランも、野心と原動力は当然あってしかるべき特性だと言い、他の特性と同様に重要だと話す。
チューリッヒのVC、ブルー・ホライズン(Blue Horizon)のマネージングパートナー兼COOのセデフ・コクテントゥルクは、業界の未来を形作るような「目覚ましいビジネス」を生み出すには、創業者の「やり抜く力(グリット)」と決断力が必要だと言う。
ロンドンのVC、ローカルグローブ(LocalGlobe)のパートナー、エマ・フィリップスもこれに同意しつつ、どれだけ顧客のことを考えているかにも注目したいと付け加える。
事業を始めるのは簡単なことではない。ましてや、うまくいく保証もないアイデアに投資するよう投資家を説得するのはなおさらだ。
自分の事業に投資してくれと投資家に自信を持って売り込むことは、スタートアップの命とも呼ぶべきものだ。先行き不透明な領域に相手を引き込むだけの能力を創業者が持っているかどうか、投資家たちはそこを重視している。
OMERSベンチャーズ(OMERS Ventures)のマネージングパートナーを務めるハリー・ブリッグスは言う。「目的意識が高い創業者には特に好感が持てますね。自分たちがやろうとしていることはとても重要で、1分たりとも無駄にできないと感じているような創業者たちです」
一方、米カリフォルニア州のVC、アクセル(Accel)のパートナーであるセス・ピエールポンは、10億ドル企業への道は一直線ではないと言い、創業者が目標を達成するためには「何度も、何度でも壁を突き破る」のをいとわないことが重要だと述べている。
3. 投資家が設定した目標との整合性
ピエールポンが所属するアクセルでは、世界の舞台で突出した各分野の勝者を支援したいと考えており、創業者にもそれを目指すことを望んでいる。
「非常に興味深いビジネスをやっているのにあまり野心がないという会社もあるでしょうが、そういうところには当社はそぐわないと思っています。我々は投資先に、世界の舞台で勝利を収め、大きな存在となることを期待しているのです」と語る。
ビヨンド・バーガー(Beyond Burger)をはじめとするビーガン企業を支援するブルー・ホライズンは、未来の食をつくっていこうという、一貫した気風と意欲を重視しているという。
食品業界は垂直統合型の構造だ。そのような中で、スタートアップ企業はどのように「根本的な変化を推進する」のかを示さなければならない。
ウクライナのVC、ジェネシス・インベストメンツ(Genesis Investments)の投資マネジャーであるエレナ・マズハも、金銭的な利益ではなく変化をもたらしたいという思いを原動力にしている創業者、モチベーションの高い創業者を常に探している。何かを作り上げるための「個人的な強い動機」を持つ人は、最初のハードルで諦めたり高給の仕事に惑わされたりする可能性が低いからだという。
4. リーダーシップ
投資家たちは、創業者にとってリーダーシップが極めて重要であるとも指摘する。マッチングアプリのバンブル(Bumble)のホイットニー・ウルフは2021年2月に自社をIPOを実現、同社を70億ドル規模へと導いた。
Marla Aufmuth/WireImage
ベルギーのVC、アスタノール(Astanor)のパートナー、ヘンドリック・ヴァン・アスブルックは、リーダーシップとチームのスケール能力(規模を拡大する能力)を重視して投資判断していると言い、次のように説明する。
「投資を決める際、『ソリューションが興味深いかどうか』が決定打になることはめったにありません。それよりも、経営陣が世界レベルにまで規模拡大できると考えているかどうかが議論の中心になることが多いです。
自分たちの周りに適切なチームを集めることができ、自分たちの行く手を阻むことになりそうな問題を解決する用意と能力がある創業者を求めています」
5. 実行力
ロンドンのVC、Qベンチャーズ(QVentures)のマネージングパートナーを務めるロバート・ウォルシュによると、実行力は経験の有無に勝ると言う。「この分野では経験が不足していそうだから」という理由でスタートアップへの投資を断るのは、間違いだと分かったからだと説明する。
「彼らはその後半年かけて計画を効果的に実行し、私たちの判断が間違っていたことを証明しました」とウォルシュは語る。過去にこうしたケースがあったため、同社は方針を変え、経験の少ないスタートアップにも出資することにしたという。
ロンドン拠点のアルビオンVC(AlbionVC)では、創業者の規模拡大能力を把握するための独自のフレームワークを使用しているという。
このようなフレームワークを用いたり、長い時間をかけて創業者への理解を深めていくと、ビジョンやリーダーシップといった特性による成功も、実は実行力と相関関係にあることが分かると、アルビオンVCの投資ディレクター、ジェイ・ウィルソンは言う。
「採用やプロダクトのアップデートなど、他の企業が1年がかりでやっていることを3カ月でやってのける企業もあります。こうした成果は時間の経過とともに蓄積されていき、積み重なれば大きな勢いとなります。
アーリーステージの企業なら、まずは創業者が明確なビジョンを持ち、経営陣が足並みを揃えることが出発点でしょうね」
※この記事は2021年8月26日初出です。
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